2020.12.07
通常、学歴詐称をする理由は、実際の学歴よりも高学歴に見せたいからだろう。ところが、世の中にはその逆の人もいる。僕がかつて取材で出会った東大文学部卒のS氏(男性・44才)は、自らの学歴を「高卒」と偽って今の仕事に就いていた。
つまり、なんとも珍しい「逆学歴詐称」だ。そんな彼は都内の地下街で派遣の警備員をしている。管理部門ではなく現場の施設警備員だ。
S氏は東大卒業後、全55巻の学習漫画シリーズ『マンガ日本の歴史』(中公文庫)を描いた石ノ森章太郎に憧れて学習漫画家になった。東大受験と同じ要領で、1日10時間の独学を真面目に1年続けて画力を身に付け、出版社からはコンスタントに仕事の依頼が来ていたそうだ。
しかし、「自らの作家としてのブランディングに失敗した」とS氏は言う。あちこちの出版社でその時々の編集者に依頼されるまま漫画を描き散らしたが、苦労して描いた漫画はどれもさほど売れなかった。そもそも、学習漫画というジャンルは、それこそ『マンガ日本の歴史』のようなシリーズものでもない限り多くは売れない。
「東大受験とその後の教養課程で、色々な学問を広く浅く修めて、なまじ器用だったことが裏目に出たね。1つの出版社で1つの分野に絞ればよかった。本の内容も真面目すぎだったかな」
当時を振り返り、こう反省したS氏。10年間、朝から晩まで机に向かって漫画を描き続けて年収は150万円ほど。座り仕事のしすぎで頸椎椎間板ヘルニアを患ったことを機に、S氏は派遣の警備員の仕事を始めることにした。
だが、不規則な勤務時間、重労働、危険と隣り合わせの職場、体育会系気質……警備員の仕事は世間的にはブラックな仕事とされている。
何より目立つのは給与水準の低さだ。厚生労働省によれば、警備員の平均年収はどの年代も300万円前後。日本人の平均年収の約430万円と比べると、警備員という職業は間違いなく低収入の部類に入る。
S氏がなぜそのような仕事をあえて選んだかといえば、「ブラックで慢性的な人手不足の警備業なら、自分のようにまともな職歴が無い人間でも雇ってくれる」と思ったからだという。そしてS氏はこの採用面接で、自らの学歴を「高卒」と偽る履歴書を提出した。
「東大まで出て警備員になろうとする人はめったにいないよね。学歴を知られると『こいつは社会性に致命的な問題があるんじゃないか』と思われるじゃない。それに、職場で東大卒の学歴をいじられるのも避けたかったしね。正直に言えば、東大まで出ていて30代後半の働き盛りに、警備員の仕事に応募していることに対する羞恥心もあった」
おそらく最後の理由が一番の本音なのだろう。いずれにしても「警備員になろうとするとき、東大卒の肩書きは不要どころか邪魔でしかなかった」そうだ。
その後、無事に警備員となったS氏の現在の年収は230万円。国税庁によれば40代前半の日本人男性の平均年収は約560万円だから、その半分以下だ。
同世代の東大卒の平均年収とは比べるまでもないだろう
だが、たとえ給料は安くても、S氏は今の仕事に十分満足しているという。施設警備員の仕事はルーティン・ワークで、慣れてしまえばまったくエネルギーを使わずにこなせる。机にかじりついて血ヘドを吐きながら漫画を描いていた頃より、精神的にはずっと楽なのだそうだ。
また、少人数で回しているから職場で人とあまり会わなくていい。自らを「コミュ障」という彼には、そんなところもありがたいのだった。
無双楽しそう
東大出て肉体労働しようが変わり者なんやなって思われて終わりやろ
変わり者に思われたくなかったんやろ
1年で総務に引き抜かれたけど
話から態度まで他の奴らと違いすぎてはぇ〜これが学歴か〜って思ったわ
早稲田相手にそんなに差を感じるとかどんなバカ集団や
別の仕事できるスペックあるやろこの人
どうなんだろうね
ちょっと収入上がる変わりに残業めちゃくちゃ増えると思うとほぼ残業ゼロみたいな警備職の方がいいのかもしれん
収入上がって残業も50時間程度の職が見つかれば別やが
自分の価値観に気付けなかったんやね
他の業界でもいけるわ
ここまで地頭と集中力あるならビルメンで電気主任技術者とか取りまくればいいのに
募集要項に高卒限定って書いてたら詐称になる
公務員とかはそれで懲戒免職になったりする
高卒限定って大卒は入るんとちゃうか
学歴が何の意味も持たない世界での学歴って邪魔になりうる、嫌味とか思われる場合もあるし
東大崩れなんて山ほどおるよ
揶揄していじめるやつおるんやから
有能なのに活かせてない
東大出て漫画家目指したけど10年経っても売れへんわ…もういっそ警備員になったろ
でも東大卒だといじられるやろうしなぁ…せや!高卒ってことにして入ったろ!
そんなこと気にするんやったら塾講師でもやればいいのに
コミュ障(自称)やし無理やろ
絶対いじめに遭う
李徴は妻子おったのに出奔してもうたからな
趣味と仕事は違うねん
好きでもキツいもんはキツい
夢を追った結果なら仕方ないのかな
それはなんのプラスにもならない
やっぱモノがちゃうわね